生徒と話をしていると、多くの子が「ぼくは数学が苦手なんです…」と言います。
しかし、そのほとんどの子が自分自身で「僕は数学が苦手だ」という暗示をかけてしまい、数字を見た瞬間に思考(試行?)のスイッチを切っているように感じます。
手が止まってしまいます。
では、なぜそのような暗示をかけてしまうのでしょうか。
よく、「数学の根本原理がわかっていないから」という人がいますが、
私は別の原因が2つあると思います。
1)計算ができない―――なんとなくルールに従いたくない
ほとんどの生徒がここで躓いています。
特に中学1年生で習う文字式、方程式の計算ができなくなってしまうとその後がどうにもなりません。
ここで躓く一番の要因は「ルール無視」です。計算にはルールがあります。
決められたルール通りに計算をしていかなければ、正解にたどりつくことはできません。
しかし、このルールを無視する子が続出しているのです。
例えば、足し算とかけ算が混ざっている式。
このときのルールは「かけ算を先に計算」ですが、どうしても足し算をしたくなってしまう子。
次に方程式の解放において。
「=」はざっくり言うと「右と左が同じ」という意味なのに、
右で足して左で引いてしまう子。
代入の場面では。。。
xに3を代入しなければならないのに、yに3を代入する子。
なぜルールを破り、そのような計算をしてみたのかを聞いてみると、
「なんとなくそっちの方がいいかなぁと思ったから」
だそうです。
これは
「人の財布からお金を取った方がなんとなく稼げるかなぁ」
と考えているのと同じような気がします。
まずは、言われるがままルール通りにやってみましょう。
公式に当てはめてみましょう。
ルール(型)通りできるまで何度も繰り返しましょう。
野球やテニスの素振りと一緒です。
バットやラケットを何となくテキトーに振って勝つことができるのは、一部の天才です。
何度もやっていくとわからなかった公式を理解することができるようにもなります。
2)置き換えができない―――たとえ話が苦手
形が変わると訳が分からなくなる子が多くいます。
「2x-4=3においてxの値を求めよ」という問題をできる子が、
「2a-4=3においてaの値を求めよ」ができない。
「3+4」はできるのに「3a+4a」ができない。
文字がくっついたり変化したりした瞬間に思考が停止します。
そして、思考が停止すると「代入をする」という単純作業もすることができなくなってしまうのです。
このパターンに共通することは、「たとえ話が苦手」ということです。
「あることがら」を説明するためにしたたとえ話と「あることがら」がほとんど結びつきません。
また、「たとえを用いて説明してごらん」という問いかけに対し、たとえを用いた説明をすることができません。
※英語の先生からは同じ文法知識、構文なのに使う単語が異なるとできなくなる、、、という
本を読みましょう。
漫画だってなんだって、良いんです。
もっと言うと、アニメ、ドラマを見るでも良いんです。
読みながら「あぁ、これあの時のあの経験と一緒だなぁ」とか「あぁ、このアニメとあのアニメ、こんなところが似てるなぁ」と共通点探しをしてください。
次のステップは、「人に何かを説明する」をやってみてください。
思わず「たとえば~」という言葉が出るようになると思います。
いいですか。君たちは、決して数学が苦手ではないのです。
さぁ、これから君たちが言う言葉は「僕は計算が苦手だ」です。
その場合は、計算をトレーニングすれば良いだけの話です。
そして、このトレーニングは教科書に忠実に行うことが重要です。
ルールを守ることができるようになること。
そこがスタートです。
そして、共通点を見つけていく、置き換えていく練習をしていきましょう。
この記事へのコメントはありません。