(後編)子ども・生徒・部下との人間関係に困ったら読む本 〜先生のためのブックレビュー『先生、どうか皆の前でほめないで下さい:いい子症候群の若者たち』〜

こんにちは。高橋です。 

 私が前回書いたブックレビューの続きです! 

前回の記事はこちら 

(前編)子ども・生徒・部下との人間関係に困ったら読む本 〜先生のためのブックレビュー『先生、どうか皆の前でほめないで下さい:いい子症候群の若者たち』〜

 衝撃的なタイトルのこの書籍ですが、ざっと概要をお伝えすると、 

「いい子」であろうとするが故に、自ら行動せず意見も言わず、集団に同調し、自己肯定感が低い・・・そんな「いい子症候群」の若者たちについて、なぜそんなことが起きているのかと我々がどうすべきかを説かれている本です。  

そう、前回の記事やここまでを読んで、もしくは日々子どもらと接している中で「どうしてこんなことになったんだ?」と思われた・思われている方がほとんどでしょう。 

 早速その点から本題に入っていきましょう。 

ちなみに私のYouTube動画では、子どもたちへのメッセージとして語ったこともあるので、ご覧いただけますと幸いです。 

 (後編)『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』から読み解く若者心理とメッセージ

 本書の重要なメッセージ 

この本は若者へ向けてのメッセージが多々書かれていますが、その中でも我々大人世代に対しての提言も述べられています。 

 『大人のあなたがやるべきだ。まずはあなたが挑戦するべきだ。』 

と。  

今の若者は日本経済の成長が止まった後に生まれており、「挑戦が成長につながる」という過程を実感できていません。 

景気も低迷し格差が広がり、一度でも失敗し陥落することを強く恐れます。 

小さい頃から廃業・失業・リストラといった社会現象を目の当たりにし、既得権を得ることの重要性も知りました。 

 これらは大人側にも当てはまる部分があるでしょう。その考え方が今の若者を生み出した訳です。ですから若者ばかり非難している場合じゃありません。 

責任は我々大人側にあるのです。 

  感想・学び気づき・アクション 

話が長くなりそうなので、まず、今後のアクションを一言でまとめておきますと 

 ・子どもたちも大人たちもひたすらに勇気づける 

 となります。 

そして本書の中で語られている今の若者の声を3つ紹介しながら、さらに深堀りしていきます。 

 「自信は無いけど社会貢献したい」というのが今の若者の特徴です。 

なんらか世の中に立ちたいという気持ちはあるのです。素晴らしいことですよね。 

ただ、自信が無いのです。自分にできることは無いと考えてしまうのです。 

そこで、目的を持った学習を提供することが大切だと私は考えます。 

義務教育で幅広い知識をつけ、高校・大学に進学すればかなり高度な内容も学ぶことができます。 

それでいて自信が持てないというのは、学びが受動的であるからでしょう。

どのように活かすかという前提で学習していないですし、そもそも身についている実感が無いのでしょう。 

アクティブラーニングが叫ばれて久しいですが、子どもたちが能動的に学べるような工夫を、我々は提供していかねばならないのだと思います。 

 2つ目に、「安定した会社でフツーの仕事がしたい」というのも今の若者の特徴的な声です。 

そんなに世の中甘く無いんだと言いたくなる気持ちは痛いほどわかります!

しかしそれでうまくいかないことも解決にもならないことも、教育関係の仕事をされているとよくご存知なはずです。 

本書の中でもデータを用いて紹介されているのですが、たしかに、企業側が若い社員に求める資質の上位は主体性と実行力なのです。

受動的で自ら行動しない人間は、会社でうまいことやっていくのは非常に大変な思いをしてしまうのが現実でしょう。 

ですから繰り返しにはなりますが、子どもたちが能動的・主体的に取り組めるような、声掛けであったり授業の工夫を模索したりし続ける必要があるわけです。 

 最後の3つ目は、「やりたいことがない」です。

耳にすることも多いのではないでしょうか。 

これについての返答は様々ありますし、その人の時期・立場・状況によっても異なってしまうものです。 

このセリフの裏に隠れている心理の1つがやはり、自分に自信が無いということだと思います。 

本書の中で紹介されていて、非常に良いと思ったのが「あなたは伸びている」というお言葉です。 

子どもたちが自信を失ってしまっている時、勇気づけられる方法は、本人の成長を認めてあげることのはずです。 

  まとめ 

先にお断りしておくと、私の記事では「勇気づけ」という言葉が今までも今後もよく出てくると思います。

ご存知の方もいらっしゃるでしょう、『嫌われる勇気』で有名になったアルフレッド・アドラーの言葉です。 

これもまた長くなるのでどこかで記事にしますね。 

 前述しましたが、今の若者から勇気を奪っているのは我々大人です。

大人側がそもそも勇気を持てていないのだと思います。 

まずはこちらの記事を読んでくださった皆さんがさらに自信を持つことで、 

子どもたちがより自信を持ってくれることを私は願っています。 

以下は、AMAZONにリンクします。

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