こんにちは。生物科の橋本です。
多くの私立大の試験、国立前期試験が終わり、多くの受験生がホッとひといきついているころでしょうか。
いやいや、まだまだ闘っている人も多いかもしれません。
受験生を見ている、高校1年生、中学3年生、、、
「生物と物理、受験科目どうしよう...」
悩んで悩んで、いろいろな記事や動画を探した学生は多くいると思います。
この記事では、そんな悩める科目選択悩んでいる理系勢に向け、科目選択のヒントを2回に分けてお伝えします。
1.生物のメリット・デメリット(物理と比較して)
まずは、一般的に言われているメリットとデメリットをまとめます。
これは、よくよく見聞きしたことがあるかもしれません。
でも、これだとそこら辺に書いてあることと一緒ですね。
せっかく、この記事にまで来てくれた皆さんには、ちょっと新しい観点をお伝えいたします。
2.生物のメリット それって本当!?
生物のメリットとして、「得点が安定しやすい」ことと「計算が難しくない」といったことがあげられています。
一つ一つ確認してみましょう。
「得点が安定しやすい」
なぜこんなことが言えるのでしょうか。
「生物」は暗記科目であるため1問解けないからといって、大問全てを解けないといったことがほとんどないというのが多くの人にとっての理由であり、「努力が報われる科目」であるといったことが言われるようになりました。
しかし、この一般論が最近、怪しくなっているように思えます。
ここ数年の共通テストの得点調整後の平均点を見てみましょう。
2023年の生物は得点調整された科目です。得点調整される前の平均点は、39.74でした。
あれれ。生物の雲行きが怪しいですね。
ここ近年の受験生物の出題は、知識問題ではなく思考力が必要な「実験・考察問題」の問題が増えています。この傾向が顕著に表れているのが、「共通テスト」です。
ということは、以前のセンター試験には考察問題が皆無だったのでしょうか。
いやいやちゃんと存在していました。
では、なぜ2023年の共通テストがこのような結果になったのでしょう。
思考力を要求する問題の一つ一つは、よく考えさせる適切な思考力問題でした。
しかし、「よく考えさせる問題」が6題出題されることにより、時間が足らなくなり、適切な思考力を問うことができなくなってしまったのです。
2023年の共通テストでは、考察問題の難易度があがったため、平均点は各予備校のほぼ予想通りの点数でした。(駿台39・河合38・東進38)適切な解答時間もなければ、適切な平均点でもない。
ここで、2022年の共通テストの問題作成部会の見解をみてみましょう。
こんなことが書かれています。
「平均点は目標値にほぼ該当するものとなった」
このコメントから、問題作成者としては、平均点を50点にすることを狙っていると考えられますが、2023年の共通テストの問題を見る限り、厳しいコメントを残さざるを得ない状況です。
今回の結果をどのように捉えて、2024年の問題を作成するかが楽しみではあります。
しかし、受験生からすると「そんなんやめてくれ、、、」ですよね。
自分の人生がかかっているんですもの。
話がかなりそれてしまったようにも思えますが、要は
「点数が安定し、努力が報われる」と言われている生物は、
こと共通テストにおいては、当てはまりにくいということです。
ここで決して誤解してほしくないのは、「考察問題」が努力しても解けないと言っていることではありません。
考察問題には、指針や解き方はあります。時間をかけて訓練する必要があります。
3.生物は不利なのか
さて、ここまでの話を聞くと「生物」は不利だと思うかもしれません。
しかし、安心してください。一般入試では、そんなことはないのです。
一般入試で考察問題の量が顕著に多い大学はまだまだ少数です。
私立医学部を見ても、生物選択をしてしまったからといって、合格できないなんてことはありません。
生物は1年間しっかり勉強すれば、医学部のボーダーを超えることはできます。
たしかに、この大学は物理の方がいい、生物の方がいいといった特色はある場合が存在しますが、大学全体の数としてはそんなに多くありません。
問題なのは、国公立を受ける生徒です。共通テストで化学と生物か物理という科目を選択するのが難しい...
「去年の難易度があがったから今年は下がる」といった話は迷信です。得点調整が入るにしても、最初から科目間で差が生まれない共通テスト生物を作ってほしいなと心から思っています。
4.生物の計算問題
次に、「計算が難しくない」というメリットについてみてみましょう。
「計算が苦手で、生物を選びました」
予備校講師をしているとよく生徒から聞きます。
残念ながら、生物の入試問題に計算問題は出ます。
ますます、生物が嫌いになってしまいますね、、、、、、、
でも、安心してください。生物の入試にでてくる計算問題は難しくありません。
基本的には、「比」を使って解くことがほとんどです。
※化学の学習が進んでいて、比を使わなくても解けるという学生は無理に使う必要はありません。
また、単位に注目したり、割合の計算ができたりしていれば基礎的な生物の計算問題は解けます。
注意点は、生物の知識的な部分がしっかりと身についてないと解くことができない計算問題は多くあるということです。
数学が受験科目として入っている大学で、関数、等差数列、漸化式、ベイズの定理を知っていると早く解けたという問題は確かに存在します。ですが、そういった問題は志望校によって必要かどうかが分かれてくるので、まずは基礎ができることに意識を向けましょう。
計算問題のパターンは限られているので、また別の記事でまとめます。
一旦ここまでで、今回の記事は終えましょう。
次回は、今回の記事をふまえ、「物理と生物の選択を悩むのは誰?」「結局、選択どうすればいいのに極論で答えます」の2本柱をお届けいたします。
ここまで読んでいただきありがとうございます。次回、続編をお楽しみに!
この記事へのコメントはありません。