長いようであっという間に過ぎ去った冬休み。みなさん本を読みましたか。読んだ人もそうでない人もいるかと思います。そんな私は「諭吉さん」との愛称で親しみのあるお札が改変されると聞き、ふと『学問のすすめ』を読み返してみました。もちろん、現代語訳でですよ。久しぶりに読むと不思議なもので、新たな発見があるものです。
あまりにも有名な書き出し「天は人の上に人をつくらず。人の下に人をつくらず」。
しかし、この続きや他の部分、本論を知らない方が未だに多いのではないでしょうか。
他所には、人は生まれながらにしては平等であるが、「学問」をするかどうかで富むか貧するか、社会的な地位を得るかどうかが決まると書かれています。
では、「学問」とは何でしょうか。
福沢諭吉が唱える「学問」とは
福澤諭吉は学問の中でも「読書」の重要性をたびたび繰り返しています。
それぐらいに読書をすることが人間の成長のためには必要だということです。しかし、彼は読書だけでは不十分であるとも述べています。「読書で学んだことを実際に使ってみる」ことこそ大切であると。
みなさんは本をたくさん読んでいると思います。また、読書に限らず、日々多くのことを勉強していることでしょう。
けれども、その学んだことを「使って」いますか?
もし、使っていないのだとしたら、ちょっと注意が必要です。
『学問のすすめ』によると数学の公式なんて知っているだけでは、無益なのです。
得た知識を実際の生活に当てはめるもよし。はたまた、人に伝えるもよし。学んで得た知識は他者と共有しなければ、頭の中でただただ腐るだけで、価値がありません。良く言ったとしても自己満足なのです。
もう一度お聞きします。みなさん、本で読んだこと、学校で勉強したこと、観た映画のこと、などなど。ただただ知識として頭に蓄えるだけになっていませんか?
学んだことを頭の中から「出して使う」ことこそ「学問」なのです。
さぁ、スマホを横に置いておいて、今日学んだことを家族に、友達に、恋人に伝えてみましょう。新たな世界が拓けるかもしれません。
参考文献:
現代語訳 学問のすすめ 福澤 諭吉 著, 齋藤 孝 翻訳
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480064707/