すごいね!うまいねっ!それいいじゃん!靴のそのデザインめっちゃかっこいいじゃん!
こんな言葉をかけられると嬉しくなりませんか?
ちょっと照れくさいけれど、嬉しいことに間違いないと思います。少なくとも嫌な思いをする人は少ないのではないでしょうか。
嬉しくなることに加えて、褒めてくれた人に対して好意をもつようになりませんか。
しかし、みなさんは「ほめられる」ことはあっても、誰かを「ほめる」ことは普段していますか?
そして、「ほめる」ことは得意ですか?
「ほめる」ことの難しさ
私自身。「ほめる」ことはとっても、苦手でした。
学生時代に教育実習で小学校と中学校へ行きました。どちらの学校でも指導教官から、毎日帰りの会やホームルームで今日のベスト3を褒めちぎる任務を受けました。
ただし、次の2つの条件とともに。
- 週に同じ人を選んではいけない
- その日3人の選んだ理由がかぶってはいけない
この2つの条件が重かったです。30人学級で同じ子にしか目がいかないのです。
どうにもこうにもほめる点が見つからないのです。みんな同じことをしているんです。
もう4日目からやけくそです。今日はその子とあの子とこの子!と朝の時点で標的を決めます。ずーっと観察しています。一歩間違えれば……でも、見つからないのです。言葉が出てこないんです。
これまで「ほめる」に無頓着だった私は、「ほめるポイント」がどこにあるのか全くわからなかったのです。
ポイントの発見
帰りの会があることに重圧を感じながら、空きコマ、生徒とのやりとり帳にもコメントを返していたときです。
ふと自分が実習へ来る前の生徒と先生のやり取りを見ました。他愛のないやりとりです。しかし、担任の先生は、必ず生徒をほめているのです。
「今日は字が躍っていていいねぇ。楽しい気分になるね!」
「今日のあのおやじギャグは最高だったよ!おもわず笑ちゃった」
「いつも止め跳ねをしっかりかけているぞ。今、君の字を見ていて襟を正されたよ」
「今日は日直おつかれさま。黒板がきれいなことはもちろんのこと、チョークまでキッチリそろえられて感動したよ。」
子どもたちの「こだわりポイント」をしっかり見抜いているのです。
こだわりを見抜かれ、ほめられた子どもたちはドンドンそこをのばそうとしているのです。そして伸びるとまたほめてもらえるのです。成長が止まりません。
私たちはみな、なにかしらの「こだわりポイント」を持っていると思います。しかも、一つではないと思います。
「ほめる」ことの第一歩はここだと感じました。それまで私は、~さんが「○○をした」という結果にしか目を止めていませんでした。しかし、それでは結果を出すまで時間がかかる子、他の子に対して結果を出せない子はほめられないままなのです。ほめられないから、成長できず、ほめられないまま、こだわりすらも捨ててしまうという負のスパイラルにハマってしまいます。
これって、家庭での子育て、部下の指導。いやいや、人間関係でとっても役に立つと思うのです。
外に出て、スマホから目を外し、周囲を見てみてください。
こだわりを持った人がいっぱい歩いています。一人ひとりのポイントをサッと見つけてみましょう。思った以上に良いトレーニングになりますよ。
さぁ。ポイントを見つけられたら、次は伝える方法です。そこで、私の実習先の先生が書いたコメントにはもう一つ良い点があるのです。
事実に気持ちを添える
それは、すべて「子どものエピソード+自分の感情」で構成されているのです。
エピソードがあることによって、読み手(聞き手)の中にスッと言葉が入ってきます。ほめられているという実感をしやすいのです。
「今日もよく頑張ったね」……う~ん。何を?
「今日もかわいいね」……まぁ。知ってる。顔とか変わらんからな。
よりも、
「今日は眠気に負けそうになりながらも、なんとか耐えてたねぇ。よく頑張ったよ!僕も頑張ろうって思ったよ」
「今の笑顔。ドキッとした。」
の方が、リアリティがあると思いませんか。
さらに、この構成にはもう一つの利点があります。毎日同じ感情を伝えられていたとしても、エピソードが異なるだけで、新鮮な気持ちになるのです。
「ほめる」達人になることと周りへの効果
先生がたは、本当に「ほめる」の達人だと思います。
毎日、来る日も来る日も帰りの会で、やりとり帳で、子どもたちをほめつくします。
そして、ほめ方がうまい先生のクラスは、多くの場合で活気づいている気がします。
私たち人間は、ほめられると嬉しいんです。
そしたら、
- 「ほめる」ことがうまい親御さんの子は?
- 「ほめる」ことがうまい夫婦の関係は?
「ほめる」ことの可能性が見えてきませんか。ぜひ、「ほめるポイント」の発見とアウトプット、試してみてください。
身の回りの人をほめちぎりましょう。
もしかしたら、モテ期が到来するかもしれませんね。
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